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2023年6月

Inna Houseに新たに3人の子どもたちが加わりました!



6月に入り、ニジェールから新たに3人の子どもたちがInna Houseで生活することになり、学校にも通えることになりました!



1人目はティジャニの妹のナフィッサです。彼女はお兄ちゃんがInna Houseから学校に通っており、ずっと自分も学校に行きたいと強く願い続けてきました。去年までInna Houseで生活していましたが、お母さんとニジェールに一時的に帰っていました。ニジェールの紛争が悪化してきたため、今年の頭にInna Projectから移動費を送金して、2人でガーナに戻ってきました。

もう1人はムスタファという男の子です。彼はニジェールの学校に通っていたことがありますが、教育の質は非常に悪く、ストライキで先生が3ヶ月以上ずっと来ないような学校でした。Inna Houseの子どもたちは皆私立の学校に通っていますが、それはガーナの公立の学校はニジェールと同様教育の質が非常に悪く、先生は来ないし、来たかと思ったら体罰ばかりという状況で全く勉強にならないためです。

ムスタファは、Inna Houseから学校に通っている中学3年生のアリのお父さんからInna Houseのことを聞き、初めてInna Houseのことを知りました。ガーナに「子どもたちの面倒をみている人がいる」と聞いたそうで、お母さんと兄弟と一緒にガーナに避難してきました。

お父さんはムスタファを学校に行かせたいと強く思っていますが、お母さんは「自分の子ども取らないで!」という感じで、ムスタファが学校に通うことに反対しています。ムスタファ自身は学校に行きたくて仕方がないのですが…。活動を継続していくためにも、子どもたちの親の理解を得ることはとても大切です。以前の活動報告でも触れましたが、子どもたちを学校に通わせる許可をしないとInna Houseで生活できないということに反感を持っている親も多く、嫌がらせをしてくることがありました。子どもたちの夢と親の願いが一致しないのは悲しいことですが、いつか彼らもこの活動を理解して、全員が幸せになれることを願っています。

話は戻りますが、ムスタファは少しフランス語を話せます。ニジェールではフランス語も公用語なので、学校で少し習っていたそうです。そのため、ムスタファはフランス語と英語のバイリンガルスクールに入ることにしました。彼は現時点で全く英語を話すことができませんが、ガーナではみんな英語を日常的に使っているので、すぐに英語も話せるようになると思います。Inna Houseのスタッフの1人もフランス語を話せるので、両方日常的に練習することができます。


そしてもう1人はマーフィンという男の子です。彼はニジェールの紛争でお父さんを失い、重い病を患っているお母さんを置いて、命からがらガーナに逃げてきました。

2年前、砂漠で家族と幸せに暮らしていたある日、突然武装集団が彼の住んでいた村を襲い、村人や家畜を次々と殺していきました。マーフィンは最愛のお父さんを目の前で失い、お母さんは体調を崩して歩くこともままならなくなってしまいました。兄弟もいない彼はたったひとりぼっちでお母さんを守らなくてはならず、近所の家を周って少しでもご飯を恵んでくれないかとお願いして、なんとか一日一日を生き延びる日々が二年間も続きました。

そんな中、彼のお母さんが風の噂で私の話を聞き、悩んだ挙句、息子をガーナに送ろうと決めたそうです。このままこの砂漠にいても、いつまた襲撃が来て殺されるか分からない、食べ物も水も十分に手に入らない状況がいつまで続くか分からない。

マーフィンは、ナフィッサと、ナフィッサのお母さんと共に、ガーナまで4日間かけてやってきました。インナハウスにいれば、ご飯も水も心配しなくていい、命の危険もない、学校に行くことだってできる。まずは彼らを守ることができる環境があることを、心から幸せに思います。今日までInna Houseを運営し続けてこれたのは、サポーターの皆様の温かい応援のおかげです。本当にありがとうございます。これからも、何としても、子どもたちを守り将来の選択肢を広げる場所としてのInna Houseを守り続けていこうと、改めて心に誓いました。



アリとティジャニの誕生日会を開催しました!


彼らは戸籍がないだけでなく、そもそも日付を数えるという文化がないので、「誕生日」がありません。Inna Houseでは、子どもたちと話し合って好きな誕生日を決めています(学校の提出書類に誕生日を登録する必要があるため)。ティジャニの誕生日は6月24日にしました。ティジャニはサッカー選手のメッシの大ファンなので、彼と同じ誕生日にしました。ティジャニはとても小柄で、そのせいで学校でいじめられたことがありました。家族もみんな背が低いので遺伝的な者なのですが、メッシも背が伸びない病気を持っていました。自分も背が低くても、メッシのような優秀なプレーヤーになりたいと思ったことがきっかけで、彼のファンになりました。

ティジャニの誕生日プレゼントは、ティジャニがずっと前から欲しがっていた自転車にしました!ティジャニは週5日、クラブチームのサッカーの練習に通っています。練習場はとても遠く、とても歩いてはいけない距離にあります。それでも毎日1時間もの道のりを歩いて練習に通っていました。

アリは2006年生まれなので、6でゾロ目にしようということで、6月6日に決めました。アリに誕生日プレゼントは何が良いかと聞くと、「自分にとって初めての誕生日だから、みんなと祝いたい。自分だけがプレゼントをもらうお金があるなら、みんなでシェアしたい」と答えました。そこで、学校のクラスメイトとInna Houseの子どもたちとみんなで映画館に行って、リトルマーメイドを観にいくことにしました。

当初、5人友達を呼ぶと聞いていましたが、当日行ってみると、なんと19人も来ていました…!Inna Houseの子どもたちは映画館に入ること自体が初めてだったので、終始興奮しっぱなしでした。Inna Houseに帰ってからも、うるさいくらいずっとunder the sea を歌っていました(笑)

2人にとって、生まれて初めての誕生日。自分が主役の日なんて初めてで、とても喜んでいました。




映画の後、クライスメイトの子どもたちも含めみんなでショッピングモールでご飯を食べたのですが、一つ気づいたことがありました。Inna Houseでは「与えられたものをありがたく受け取りなさい」と教えているので、Inna Houseの子どもたちはわがままを言いません。でも学校のクライスメイトの子たちは結構わがままで、みんなでシェアするピザなのに、この具は嫌だとか、不満がかなり多かったです。比べるものではないけれど、ご飯を食べられることのありがたさをわかっているInna Houseの子どもたちは、与えられたものに素直に感謝できるいい子に育っているなと感じました。


6月の半ばで2学期が終わり、3学期が始まるまで、1週間の休みに入りました。例年この休みは2週間なのですが、コロナの影響で入学のタイミングがここ数年1月になっていたのを、今年から9月入学に戻すことになり、その調整で休みが1週間になりました。子どもたちは勉強したり、サッカーしたりとInna Houseで時間を過ごしていましたが、たった1週間の休みなのに、毎日学校に行きたいと言っていました。よっぽど学校が楽しいようです。アリは8月に高校入試を控えているので、1週間の休みはありませんでした。朝6時半から17時まで授業を受け、放課後はinna Houseで家庭教師と一緒に勉強と、入試に向けて毎日がんばっています。


本当に喜ばしいことに、今Inna Houseは入居待ちの状態です!

ニジェールから、Inna Houseに入って学校に通いたいという子どもたちと、それに賛成してくれている親がたくさんいるということです。活動を始めた当初は、子どもたちの親から理解を得られず対立することばかりだったので、本当に信じられないほど嬉しいです。これからもっと多くの子どもたちが学校に通えるように、引き続き子どもたちとみんなで頑張っていきますので、応援どうぞよろしくお願いします!


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