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2023年8月



7月にニジェールでクーデターが起き、ニジェールからInna Houseへ子どもたちをレスキューするため、SNSで緊急募金を募らせて頂きました。


7月末にニジェール大統領が拘束され、空港も全て封鎖されている状況です。それに加え、8月にニジェールの雨季が終わり、テロ活動が過激化していきます。

現在インナハウスを利用している子どもたちの故郷の村のチーフと連絡をとり、こちらから交通費を送って、ニジェールからガーナへ避難するサポートをしています。彼らは4日間かけて陸路で国境を越え、ガーナに到着します。レスキューしてきた子どもたちは学校に通い始め、インナハウスでの新たな生活を始めています。ニジェールに残された親族の「ニジェールを出てどうかガーナで生き延びてほしい」という強い願いを受け取り、インナハウスで子どもたちを大切に育てています。

募金にご協力くださった皆様、本当にありがとうございました。


今も治安がさらに悪化しているニジェールで、厳しい現実に立ち向かいながら、インナハウスでの新たな未来を夢見ている子どもたちが沢山います。彼らをニジェールからガーナへと避難させ、インナハウスで受け入れるためには、1人あたり約20万円ほどの支援が必要です。着の身着のままやってくるので、ニジェールからガーナまでの交通費だけではなく、洋服や靴、ベットなど必要な生活用品を全て揃えなくてはなりません。

そしてニジェールから来る子どもたちは、極度に劣悪な健康状態のため、まず病院に連れて行くことが不可欠です。ですが、彼らは保険や戸籍がないため、高額な医療費がかかってしまいます。集まった寄付の額によって、1人でも多くの子どもたちをガーナへと避難させることができます。現在も寄付は受け付けておりますので、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。



ニジェールから新たに女の子をお迎えしました!



8月、緊急救助活動の1人目として、ハニマという推定8歳の女の子をニジェールからレスキューしました。ハニマは以前からインナハウスに来たいといっていました。インナハウス2人目の女の子で、ナフィサがとっても喜んでいます!

先月の活動報告でもお伝えしましたが、女の子への教育の機会提供を進めるため、インナハウスへは女の子で年齢が低い順に受け入れるようにしています。9月末にももう1人女の子を受け入れる予定です。

ニジェールはナイジェリアから電力を買っていますが、クーデターの影響で国境が封鎖されてしまったため電気が届かず、ほとんどの地域で停電になっています。そのせいで物価も高騰してしまい、こちらから送った交通費ではガーナまで辿り着けない可能性もあります。ハニマを救助したときは運よくスムーズに行きましたが、次の女の子のときもスムーズに迎えられることを祈っています。

左の画像は、ハニマが来て大喜びのナフィサ(*^^*)




子どもたちの両親との関わり方。


インナハウスの子どもたちの親は、長い交渉の末、子どもが学校に通うことに賛同してくれましたが、残念ながら今でも時々問題が起きます。


「子どもの生活をインナプロジェクトが全てサポートする代わりに、子どもをインナハウスから学校に通わせること(学費は全額インナプロジェクトが負担)。そして親は子どもに物乞いをさせることをやめ、自力で生計を立てること」を約束し、ティジャニとラルソ兄弟のお母さんは、子どもたちをインナハウスに預けることに同意しました。

そして彼女は飲料水の販売を始めました。インナプロジェクトで水の仕入れの手伝いなども行なっていますが、「携帯が欲しいから金をくれ」「生活費が足りないからいくら振り込んでくれ」など、毎日のようにボイスメッセージが送られてきて、お金を請求されています。


ある日、「子どもたちに会いにインナハウスに行く。今から向かうから到着したらタクシー代を支払ってくれ」と言われました。「私が子どもたちを連れてあなたのところに行くから来なくていいよ」と言うと、彼女は激怒して「もう二度と子どもたちを学校に行かせない!!」と大騒ぎになりました。

その後子どもたちとスーパーに買い物に行ったとき、ティジャニに「どうしてお母さんは会いにきたいと言ってるのに、来ちゃだめって言うの?」と聞かれ、あまり子どもたちにお金の話はしたくなかったのですが、事情を説明しました。


するとティジャニは突然頭を抱えて泣き出してしまいました。あまりに激しく泣いていて、どうしたのかと聞いても答えられないほどでした。

泣き止んでから理由を聞くと、「なんでインナはこんなに自分達のためにしてくれるのに、自分のお母さんがこんなにひどいのかわからない。本当に嫌だ。なんでいつもお金のことばっかり言ってるの?」と言うのです。まだ10歳ちょっとの子です。どうしてこんなに心が綺麗なのか、どうしてこんなに精神が自立しているのか不思議に思ってしまいます。


子どもたちはいつも私のことをお母さんと呼びます。お母さんについての作文をする宿題では、どの子どもたちも私の名前を書きます。「私はお母さんじゃないよ、どうして私の名前を書くの?」と聞くと、「だってお母さんがしなきゃいけないことをやってる人はインナしかいないから」と言います。

子どもたちの親の心がなぜこうなってしまったのか、原因はニジェールで50年前から続く紛争にあることは間違いありません。砂漠で平和に暮らしていたのに、ある日突然武装集団が村を襲い、何百人という村人が目の前で無惨にも殺されてしまったのです。命からがら逃げ延びた先がガーナの首都アクラでしたが、読み書きができず英語も話せない彼らは(ガーナの公用語は英語です)仕事を得ることもできず、難民だからとガーナ人から差別され、物乞いをして生きるしかありませんでした。


彼ら、彼女らが紛争によって心に負った傷は私には想像もできないほど深く、彼らは人生の全てを諦めてしまっています。自分の子どもに暴力を振るって物乞いをさせるしか、ガーナという新しい土地で生き延びる方法がなかったのです。しかしだからといって、子どもたちに暴力を振るったり、物乞いを強制して子どもたちの将来を奪うことは許されることではありません。親とのトラブルはなかなかなくならないのが現実ですが、これからもコミュニケーションを取りつつ、子どもたちも親も、みんなが幸せになれるよう、活動を続けて行きたいと思います。




アリの高校試験がありました!


8月頭に、インナハウスで最年長の男の子、アリの高校入試がありました。ガーナでは公立高校を受験する際は西アフリカ一帯で統一のテストを受けます。ガーナは公立の小中学校のレベルがとても低く、勉強したい子は私立学校に入るのですが、なぜか高校は公立の方がずっとレベルが高く、アリの中学校の先生にアリにピッタリの公立の高校をおすすめしてもらいました。

受験の際に第3志望まで異なるレベルの高校を選びますが、テストの結果によって入りたい高校を選ぶことができます。アリはインナハウスに来る前にも学校に通っていましたが、途中で学費を支払えなくなってしまい、中学校を中退しました。中退してから1年半の間、ストリートで物乞いをしていたブランクがあります。準備期間が全くない中、睡眠時間2〜3時間で毎日毎日必死に勉強しました。毎日深夜2時に起きて、自ら勉強していました。アリの中学校の先生にお願いして家庭教師になってもらい、受験勉強をサポートしてもらいました。8月頭に試験が終わると、ストレスから解放され、アリは本当に安堵していました。第一志望に受かることを祈っています!



アリのお兄ちゃんがインナハウスに入居することになりました!


アリの二つ上のお兄ちゃん、アブドゥル。

彼はニジェールにいたとき、アリと同じ学校に通っていました。「親の手伝いもせずに学校なんて行っている自分勝手な奴だ」と周りから非難され、暴力を受けても、物乞いをしながら学費を稼ぎ、強い意志で学校に通っていました。何時間もかかる道を、毎日徒歩で通っていました。しかし途中で学費が払えなくなってしまい、中学校を中退しました。その後、アブドゥルは知り合いのつてで電気会社に勤めて、電気技師として隣国コートジボワールで働いていました。仕事が長期休みに入ったため、現在はガーナに帰ってきて、さらに上のレベルの電気技師の資格を取るため、仕事で稼いだお金で大学の短期コースを受講しています。


そしてアブドゥルから、学校に通うためインナハウスに住まわせてくれないか、と聞かれました。お兄ちゃんがいれば、下の子供達がお兄ちゃんのいうことを聞いてくれる!それに、インナハウスの電気周りの修理を全てタダでやってもらえる!(笑)ということで、アブドゥルをインナハウスに迎えることにしました。そして8月の頭から住み始めて、1ヶ月が経ちましたが、アブドゥルは難民キャンプのようなところに住んでいたので、「家」に住んだことは生まれて初めてでした。ガーナでは家賃を1年分まとめて支払わなくてはならないため、職があっても、難民や貧困層の人々が家を借りることは非常に難しいのです。アブドゥルはインナハウスがとても暮らしやすく気に入っていて、短期コースが終わった後もインナハウスに住まわせてほしいと言ってくれました。学校に通っている子がインナハウスに住むというルールで運営しているので、どうしようか迷いましたが、子どもたちにとってもアブドゥルのような働いているお兄ちゃんが身近にいることはお手本になるし、両方にとって良いので、短期コースの後もインナハウスに住んでもらうことにしました。それに、アブドゥルはサッカーが本当にうまいので、ティジャニの練習相手になってもらっています。ティジャニは大喜びです。


今まで最年長だったアリは高校進学が決まり、高校の寮に入ることになるので、インナハウスからいなくなってしまいます。ニジェールからレスキューした子を病院に連れて行くときにアリに通訳をしてもらったりと、いつもとても頼りになっていました。アリはインナハウスの子どもたちのことを考えて、「寮に入らずにインナハウスに残ってもいいよ」と言ってくれていました。とても頼れるお兄ちゃんだったので、インナハウスに残ってくれるのはとても心強いですが、夢を追いかけてほしいので、寮に入ることにしました。そしてこのタイミングでアブドゥルが来てくれたので、とても助かっています。




日曜日のビーチ!


ちょっと暗い話になってしまったので、最後は楽しい写真で8月の活動報告を終わりたいと思います!ガーナでは日曜日にビーチに行ってリラックスする習慣があります。いつも体力が有り余っていて全く眠れない子どもたちを連れてビーチに行きました。全力ではしゃいで、しっかり疲れて熟睡できました!



最後までお読み頂きありがとうございました!

これからも皆様のあたたかい応援を、どうぞよろしくお願いいたします。


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